葛木のディープバリュー投資ログ

投資は自己責任です。だからよいのです。

流動性プレミアムは存在するのか

【注意】本記事の内容について、これは単なる個人的な趣味の産物であり、これをもとに損失を出されても一切責任は取れませんので、ご了承ください。

こんにちは、葛木です。

今回は素朴な疑問として、流動性プレミアムはあるのか、日本株で検証した結果を共有したいと思います。なお、ここでは流動性プレミアムを流動性の低い有価証券に付加されるプレミアムのことと定義します。流動性が低いということは、不利な価格で売買する可能性が高いため、一定数の投資家から嫌厭され、割安となる可能性が高いと予想されます。

このプレミアムがあるなら、流動性の低い株に投資すれば、(少なくとも単純なインデックス投資よりは)儲けられそうです。資産の少ない個人投資家なら、大量に株を購入する必要もありませんし、自分の売買で株価が動く心配もあんまりしなくてよいですし、こういったプレミアムがあるなら、これを利用するのは個人投資家の特権と言えそうです。
では、本題に入っていきましょう!!

検証方法

検証にはシステムトレードソフトのイザナミを使用します。
イザナミでは上場廃止による強制手仕舞いを反映できたり(生存者バイアスの排除)、Stop高/Stop安で売買できなかった場合も考慮に入れられるので、それなりに信頼できるバックテスト結果が得られると思っています。
(もちろん実際に売買した結果ではないので、自分の注文で動く株価の変動は考慮に入れられません。)

流動性の低い銘柄の条件は一日の売買代金が500万円以上3000万円以下とし、流動性の高い銘柄の条件を売買代金3000万円以上としました。条件を満たせば翌日寄り付きで成行買いし、保有期間が一年となったところで引け成りで手仕舞いします。
(このあたりの数値は適当です)

余談ですが、私は現在イザナミを全く使用しておりません。一時期短期システムトレードを本気でやろうと思ってイザナミを購入しましたが、思ったようには稼げず現在に至ります。まぁ、いいソフトだとは思うのですが、私にはこれを十分活かす能力はありませんでした。ということで、購入を勧めることもしませんし、止めることもしません。

検証結果

まず取引回数について、グラフを見ていただければわかる通り、どちらもだいたい1年あたり1000回以上の取引機会があったことがわかります。それなりに結果は信頼できるのではないでしょうか。

 

そして、肝心の期待値( =( 平均利益 × 勝率 ) + ( 平均損失 × 敗率 ))ですが、流動性の低い銘柄に投資した場合は1年あたり平均して7.39%、流動性の高い銘柄に投資した場合は3.95%となりました。年ごとの結果はグラフの通りです。割とコンスタントに流動性の低い銘柄に投資していた方がリターンが高くなっています。

 

結論

流動性プレミアムは存在しそうです。これを素直に売買に活かすとしたら、流動性の高い銘柄を空売りして、流動性の低い銘柄を買う、とかでしょうか。ただ注意すべき点がありまして、私が思いつく限りでも以下のことが考えられます。

  • 流動性が低い銘柄は自分の売買による価格の変動が大きくなるので、思った通りの価格で約定できない可能性が高い。
  • 今回の検証では売買タイミングを全く指定していないので、別のトレード根拠を加えてトレードすると結果が変わる可能性がある。
  • 一年に1000回以上も取引できるほどの資金がないことが多いと思うので(1年間ホールドしなければいけません)、この結果をそのまま応用できない。
  • 両者の期待値の差が有意なのかわからない。

ということで、この結果をそのまま実際の売買に応用することは不可能と思っています。ただし、この結果を考慮に入れつつ売買戦略を練ることならできるんじゃないかと考えています。以上です。
ではでは

【再度注意】本記事の内容について、これは単なる個人的な趣味の産物であり、これをもとに損失を出されても一切責任は取れませんので、ご了承ください。