葛木のディープバリュー投資ログ

投資は自己責任です。だからよいのです。

信用取引での失敗

現在進行形で失敗中ですが、今後再び信用取引に手を出したくなった際に参考にできるよう、いろいろと忘れないうちに記事に残しておこうと思います。

先月(2024年7月)、記録をとり始めてから2年ほど経ち、大きなマイナスとなったこともないからと、それまで封印していた信用取引に手を出すことにしました。
手を出すと言っても、レバレッジは1.5倍程度にし、より幅広く資産バリュー株に分散することで、全体のリスクが大きく上がらないようにすることを意識しました。

証券会社はもちろん、野村證券です。
野村証券信用取引金利と株式益利回りを比較して、ある種の裁定取引ができると考えたんですね。
(私が投資対象とする超小型株は、機関投資家がほとんど参入できないので、こういうわかりやすい裁定取引の機会が残っていると考えました。)


で、以上の考えは大きく間違っていないと今でも考えているのですが、愚かにも以下の点を見逃していたんですよね。

  • 資産バリュー株だからと言って、大きく下がらない保証はない。実際、7月下旬~8月5日は、指数よりも減った。
  • 損失が膨らむときは、何もしなくてもレバレッジは上がる。レバレッジを下げようとすると株価が下がっているときに売ることになるため、心理的に非常に売りにくい(自分が逆張り派であることを強く自覚しました)。
  • 売りの判断が少し遅くなっただけで、大きくパフォーマンスが落ちる(株価の下落は上昇よりもスピードが速い)。兼業の自分は仕事中に売買できないため、判断が遅れやすい。
  • 小型株はたとえ割安でも暴落耐性はない。一部の人間が投げ売るだけで簡単に株価は暴落する。暴落時の銘柄入れ替えを行うにしても、持っている株を売れないので、銘柄入れ替えによる執行コストだけで大損する。


一通り、凄腕と思っている方々のポストを見てみましたが、多くの方がレバを金曜日の時点で落としていました。やはりこのあたりの逃げの上手さが生き残っている秘訣なんだと考えます。
少なくとも今の自分が手を出してよい取引形態ではなかったと学びました。今の資産規模で学べたのは非常にラッキーなことと思います。

【前月比-6.3%】2024年07月投資成績

証券コード 名称 投資割合
5958 三洋工業 9.7%
8152 ソマール 8.9%
3892 岡山製紙 10.1%
6159 ミクロン精密 9.3%
3952 中央紙器工業 10.2%
9782 ディーエムエス 9.9%
1869 名工建設 9.9%
9867 ソレキア 11.6%
9478 SEホール&インキュベ 9.2%
5819 カナレ電気 10.3%
5753 日本伸銅 9.4%
3766 システムズ・デザイン 9.7%
4224 ロンシール 10.1%
9232 パスコ 10.7%
9906 藤井産業 9.7%
7614 オーエムツーネットワーク 9.3%
6091 エスコホールディングス 8.8%

※投資割合は資金に対する割合のため、合計で100%を越えます。

 

今月半ばから株を楽天証券から野村証券に移し、レバをかけ始めました。えぇ、ほぼ天井と思えるところでね。。。

 

今月新たに購入したものは、ソレキア中央紙器工業名工建設、日本伸銅、システムズ・デザイン、藤井産業、ウエスコホールディングス、ロンシール工業です。

中央紙器工業名工建設藤井産業、ロンシール工業、システムズ・デザイン、日本伸銅はレバをかけるにあたって、個人的にディープバリューである点を評価して買いました。増えなくてもいいから、減らないことを狙っています。

ソレキアは資産の伸びを期待して買いました。配当性向も低いですし、ディープバリューほど上がりやすい情報・通信業であることも魅力と考えています。

エスコホールディングスは防災・社会資本老朽化対策関連で、毎年人員が増えていることもあり、買いました。個人的に防災というテーマは今後より重要になっていくと考えていまして、これからも多少高くても買うつもりです。

【前月比+4.3%】2024年06月投資成績

運用成績

運用資産:¥23,178,900円

前月比:896,394円(+4.3%)

前年比:5,521,454円(+34.1%)

正味入金:919,990円

配当(税引き後):172,084円

保有銘柄

証券コード 名称 投資額 損益
8152 ソマール ¥1,394,700 ¥857,800
6492 岡野バルブ ¥1,772,500 ¥807,500
5958 三洋工業 ¥1,504,567 ¥763,433
3892 岡山製紙 ¥1,561,601 ¥725,899
6159 ミクロン精密 ¥2,008,033 ¥243,467
9478 SEホール&インキュベ ¥2,121,271 ¥148,529
9782 ディーエムエス ¥2,236,498 ¥99,602
7614 オーエムツーネットワーク ¥2,197,744 ¥28,256
5819 カナレ電気 ¥2,380,022 ¥-19,022
9232 パスコ ¥2,490,836 ¥-144,336

振り返り

プラスで終わることができて何よりです。みんな調子いいときに一人だけマイナスは耐えられんです。

今月は買い増ししただけで銘柄の入れ替えを全く行いませんでした。長期で持つつもりでいるので、当然と言えば当然なのですが、ちょっと暇ですね。

ただ、そろそろ岡野バルブが高くなってきたので、別の銘柄に移ろうと思っているんですけど、いまいちこれって思えるものがないですね。監視しているものはいくつかあるんですけど、ちょっと高かったり伸びがいまいちだったりして手が出ません。

あと、どうでもいいですけど、今月ほとんどツイートしてないな。

【前月比-0.5%】2024年05月投資成績

運用成績

運用資産:¥21,534,600円

前月比:¥-104,490円(-0.5%)

前年比:¥+4,625,060円(28.6%)

正味入金:412,490円

配当(税引き後):0円

保有銘柄

証券コード 名称 投資額 損益
8152 ソマール ¥1,394,700 ¥845,300
6492 岡野バルブ ¥1,772,500 ¥725,000
5958 三洋工業 ¥1,504,567 ¥658,433
3892 岡山製紙 ¥1,561,601 ¥521,899
9782 ディーエムエス ¥2,056,098 ¥88,302
6159 ミクロン精密 ¥2,008,033 ¥54,467
9478 SEホール&インキュベ ¥1,898,870 ¥26,130
7614 オーエムツーネットワーク ¥2,197,744 ¥14,256
5819 カナレ電気 ¥2,222,032 ¥-33,832
9232 パスコ ¥2,131,636 ¥-113,136

振り返り

指数プラスにもかかわらずマイナスでフィニッシュです。まぁ、今までが順調すぎたんですね。

名工建設、売りました。割安解消のイベントを狙ったんですけど、ちょっと待ちきれないので売り。

暁飯島工業、売りました。同じペースで資産が増えてくれてれば継続して持っていたのですが、他に買いたい銘柄が出てきたので。

パスコ、買いました。私が買う銘柄としては高いんですけど、やっていることが好きなのでしばらく損失覚悟で持つつもりです。

カナレ電気、再び買いました。チャートだけでは惹かれなかったんですけど、HPを見ると価格改定を頻繁に行っているようで。価格決定力があるのなら、銅価格高くて厳しい場面の今こそ、持っておくべきかと考えました。はて。

 

今まで売った銘柄をTrading Viewのリストにして時折見ているのですが、今月は比較的どの銘柄も厳しめだったようですね。つまり、私の守備範囲では逆風が吹いていたのでしょうか。株はターン制らしいので、また風が吹いてくれることを期待して待ちます。

【前月比+5.9%】2024年04月投資成績

運用成績

運用資産:¥21,226,600円

前月比:1,160,220円(+5.9%)

前年比:4,729,550円(+29.2%)

正味入金:200,180円

配当(税引き後):0円

保有銘柄

証券コード 名称 投資額 損益
6492 岡野バルブ ¥2,126,839 ¥897,161
3892 岡山製紙 ¥1,415,321 ¥716,879
8152 ソマール ¥1,394,700 ¥597,800
5958 三洋工業 ¥1,504,567 ¥521,233
1997 暁飯島工業 ¥1,554,550 ¥461,750
9478 SEホール&インキュベ ¥1,780,863 ¥258,537
6159 ミクロン精密 ¥1,866,043 ¥154,157
1869 名工建設 ¥1,733,680 ¥145,820
9782 ディーエムエス ¥2,056,098 ¥13,902
7614 オーエムツーネットワーク ¥2,039,044 ¥-12,344

振り返り

見よ、我がディープバリュー株PFの圧倒的な防御力を!

 

・・・てなことはなく、さくらケーシーエスと岡野バルブのストップ高で利益が出ただけで、それを抜いたら普通にマイナスでした。。。今月きつすぎぃ。

さくらケーシーエスは4月の頭に2000円くらいで売りました。今見たら2600円くらいまで上がってますね。少し悔しい気もしますが、業績うんぬんで上げてるわけではないので、もう私は持てません。

岡野バルブは決算を受けての上昇なので、素直にホールドできますね。ちょっと比重が偏ってきたけど、まぁ、もう少しこのまま行こうかな。 

名工建設、上方修正と増配発表されましたが、株価はほぼ変わりませんでしたね。皆さん知ってたってことですか?

【前月比+11.1%】2024年03月投資成績

運用成績

運用資産:¥19,866,200円

前月比:+1,981,030円(+11.1%)

前年比:+3,569,330円(+22.0%)

正味入金:617,000円

配当(税引き後):17,930円

保有銘柄

証券コード 名称 投資額 損益
3892 岡山製紙 ¥1,123,165 ¥955,235
4761 さくらケーシーエス ¥1,615,877 ¥845,723
5958 三洋工業 ¥1,210,510 ¥802,490
8152 ソマール ¥1,394,700 ¥460,300
9478 SEホール&インキュベ ¥1,307,884 ¥400,616
1997 暁飯島工業 ¥1,380,650 ¥353,350
6492 岡野バルブ ¥1,750,939 ¥216,561
1869 名工建設 ¥1,608,680 ¥144,120
6159 ミクロン精密 ¥1,586,043 ¥80,757
3952 中央紙器工業 ¥786,600 ¥78,000
9782 ディーエムエス ¥1,712,098 ¥51,902

振り返り

今月でなんとか指数に追いつきました。無理だと思ってましたけど、下旬に入ってボンボン上がっていきましたね。やっと個別に資金が回ってきたのでしょうか?

さくらケーシーエスはなんでストップ高になってるのか、全くわかりません。確かに安いけど、直前に何か材料があったわけでもないですし。

岡野バルブを買いました。実はさくらケーシーエスを買ったときに、岡野バルブにするか、さくらケーシーエスにするか、悩んだ末に投資しなかった銘柄になります。投資した直後に上がっていったのでずっと悔しい思いで見ていましたが、システムズデザインとコンバムを売ることにして、結局買いました。ちなみにこれらの株を売ったのは、相対的に勢いがないと判断したためです。どちらも安く徐々に上がっていくとは思いますが、まぁ、いいかなと。

あと、名工建設を買い増しました。実はこちらも売ろうかと思っていたのですが、名古屋の再開発にちょっと期待して、保有を継続することにしました。はて、どうなるやら。

【実験と考察】分散投資とパフォーマンスの関係について(過度な分散はダメなのか?)

皆様こんちには、葛木です。久しぶりの投資成績でない記事です。

投資に関する本やXのポストで、分散投資は大事だけれど過度な分散はパフォーマンスを落とす、という主張をよく見かけます。今回はなぜ分散しすぎた投資がパフォーマンスを落とすのかについて、私なりに実験して考えたことを書いていきます。

なお、以下を見てもらえばわかる通り理想化された状況での実験となりますので、現実の状況とは異なる可能性もあることに注意しておいてください。

実験してみた

仮想の市場を設定し、凄腕、凡人、ド素人の3人の投資家がそれぞれ指定の銘柄数に分散投資した場合、どれくらいのパフォーマンスとなるのか実験しました。設定は以下の通りです。

  • 市場の設定
    • 20銘柄に1銘柄の割合で2倍になる株がある。また、同様の割合で半値になる株がある。その他の銘柄は1%上昇する。よって、市場全体に投資した場合は(100%-50%+1%×18)/(1+1+18)=2.5%のリターンとなる。
  • 投資家の設定
    • 3人とも自信のある銘柄順に投資していき、指定の銘柄数まで投資する。今回は5, 10, 15, 20, 50, 99銘柄の6パターンとした。
    • 3人とも最も自信がある銘柄が2倍株となる確率は50%とした。
    • 2倍株的中率は、有望と考える銘柄の順位が下がるにつれて、以下の式で減衰していくこととした。
      • x位の銘柄が2倍となる確率=(a-b)×c^(x-1)+b
        • a:最も自信がある銘柄の的中率。今回は50%。
        • b:あてずっぽうで2倍株となる確率。今回は5%。
        • c:投資家の能力に依存するパラメタ。今回は以下で設定。
          • 凄腕:0.9
          • 凡人:0.6
          • ド素人:0.1

2倍株的中率の減衰はグラフで描くと以下のようになります。横軸は自信がある銘柄の順位(0から始まっています)で、縦軸は2倍株的中率です。

この設定だと凄腕は20位くらいまででもあてずっぽうよりはよい精度で2倍株を当てられる一方、ド素人は3位以下になるとあてずっぽうとほぼ同じ確率となります。

この設定で1000回の投資機会があった※として、実験してみます。
※それぞれの投資家がそれぞれの銘柄数で分散投資をして、毎年のリターンを計算。それを1000年分集計したとお考え下さい。

結果

まずは凄腕の結果です。

縦軸が投資リターン(%)で、左から5(紺), 10(橙), 15(緑), 20(青), 50(紫), 99(黄緑)銘柄に分散投資したときのパフォーマンスの箱ひげ図です。分散銘柄数が多いほど全体的にパフォーマンスが落ちてますね。また、凄腕のためか多く分散したからといって運の悪い場合のリターンがそれほど変わっていません。本当に実力がある人は過度に分散するのは悪手でしかないようです。

 

次に凡人の結果です。

こちらも銘柄分散数が増えるほどパフォーマンスが落ちました。しかし、凄腕の結果と異なるのは、分散数が多いほど運の悪い結果がましになったという点です。これは、相当の自信がなければ(自分が凄腕でなければ)集中投資は避け、パフォーマンスを犠牲にしてもよいならなるべく分散すべきという教訓に合致します。

最後にド素人の結果です。

たしかに分散するほどパフォーマンスは落ちていますが、正直ほぼ変わらないと言っていいでしょう。これは考え方によるかもしれませんが、ドへたくそは分散によるパフォーマンスの減少よりも成績の安定を求めて多く分散した方がいい気がしますね。

結論

凄腕なら集中投資して、凡人なら適度に分散する、ド素人ならなるべく分散させる(つまりインデックス投資)という結果が導かれました。もちろん、これは仮想的な市場であり現実はもっと複雑であるため、これが正しいと言い切ることはできませんが、大外れもしていないんじゃないでしょうか。

 

さて、これを受けて私はどうするかというと、何も変わりません。少なくとも凡人であれるように市場に向き合い、適度な分散投資を心がけるのだと思います。